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  2. 50歳からの住宅ローン戦略
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50歳から知っておきたい「リバースモーゲージ」と「リースバック」

2025/01/03
50歳から知っておきたい「リバースモーゲージ」と「リースバック」

はじめに:老後資金の不安にどう向き合う?


日本の超高齢社会では、老後資金に不安を感じている人も少なくありません。特に、自宅という資産は持っていても現金の余裕がない方にとって、資産を活用して生活の安定を図る方法が注目されています。昨日の記事でも触れた「リバースモーゲージ」についてより詳しく解説するとともに「リースバック」というもうひとつの方法も詳しく解説し、それぞれのメリットとデメリットを整理します。


1. リバースモーゲージとは?


1-1. リバースモーゲージの基本概要


リバースモーゲージは、自宅を担保に金融機関から資金を借り入れる仕組みです。これだけの表現だと「通常の住宅ローンや不動産担保ローンと何が違うの?」となると思います。


リバースモーゲージは通常の住宅ローンとは異なり、借り入れた資金は契約者が亡くなった後、自宅を売却して返済に充てられます。生前は利息のみを支払い、元本の返済はしなくても良い仕組みになっています。


1-2. リバースモーゲージのメリット


老後資金を一括または分割で確保できる

自宅を担保とした審査が行われ借入可能額が設定されます。その借入可能額の枠内であれば借入ができます。

通常、ローンは「何に使うのか?」という使途を明確にしていないと貸してくれません。(自宅を買うための住宅ローンやマイカーを買うための自動車ローン)リバースモーゲージで借りたお金は生活費や医療費、介護資金や旅行などに自由に使えます。


つまり生活費の不足分に充てても良いですし、介護施設に入所するための一時金にしても良いです。また、退職後まで返済が続く住宅ローンをリバースモーゲージに借り換えることで毎月の支払いは利息のみとなるので、毎月のキャッシュフローの改善に繋がる可能性もあります。


自宅に住み続けられる

自宅を手放さず、生活環境を維持できます。

自宅を担保にした借入なので所有権は自分のままです。


返済は契約者の死後

生前に返済の心配をする必要がありません。契約者の死後、金融機関が売却をして、ローン残高を精算します。もちろん相続人であるお子さんが手持ち資金でローンを完済して、自宅を保有し続けることも可能です。


1-3. リバースモーゲージのデメリット


担保価値の影響

不動産の価値がとても重要なローンなので、もし、担保価値が下がるとローンの契約後でも借り入れ可能額が減少する可能性があります。

また、金融機関も将来の担保価値の増減については正確に予測ができません。その為、借入可能額を担保価値の5割や6割といった一定の水準としていることが多いです。


地域や物件により使える・使えないが分かれる

「担保価値の影響」とも重複しますが、地域や物件によっては、担保価値が十分とは判断されずそもそも利用できない可能性もあります。

金融機関も慈善事業ではないので、保有している自宅ならどこでも大丈夫とはなりません。


家族への影響

基本的には、契約者の死後、自宅を売却して返済するため、相続人がその住居を引き継ぐことが難しくなります。


相続人の協力がなければ難しい

このローンの仕組み上、契約者の死後、相続人が売却に同意してくれないという状況は金融機関としては絶対に避けなければなりません。

その為、リバースモーゲージの契約前には、将来の相続人にあたるお子さんたちにも同意を得ることが必要となります。


そしてこの同意は家族間の口約束で済む話ではなく、全員が金融機関へ提出する書類に署名捺印をする必要があります。

誰かひとりでも反対する人がいると契約は前に進まなくなります。


2. リースバックとは?


2-1. リースバックの基本概要


リースバックは、自宅を不動産会社や投資家に売却し、そのまま賃貸として住み続ける方法です。

売却によってまとまった資金を得られますが、賃料を支払いながら住み続けることができます。


リースバックについては過去にこちらの記事でも取り上げています。
参考にご覧ください。


2-2. リースバックのメリット


即時現金化

自宅を売却してまとまった資金を確保できます。

借金の返済など一時的にまとまった資金が必要なケースや手許資金を確保しておきたい場合にはとても有効です。


住み慣れた家に住み続けられる

所有権は手放しますが、賃借人としてそのまま住み続けるため、引っ越しは不要です。

売却後もそれまでの生活環境を維持できます。


契約更新の柔軟性

賃貸契約の条件によって、住み続ける期間を調整可能です。


契約条件によっては買戻しも可能

新しい所有者(自分が売却した相手)との契約によっては、自分が将来、資金を確保できたら、再び買い戻すことが可能とすることもできます。


2-3. リースバックのデメリット


賃料の負担

売却後も家賃を支払う必要があり、経済的負担が続きます。

前述したリバースモーゲージは借入ですが、毎月は利息の負担のみとなるため、毎月の支払いが減らせる点がリースバックとの違いです。


売却価格が市場価値より低い場合がある

リースバックは一般的に市場価格よりも安く売却される傾向があります。

これは、購入する側の立場で考えると既に賃借人が確定している「不動産投資物件」として購入するのと同じことになるため、投資利回り等の投資物件として妥当と思う金額で売買が成立するためです。


一番高く売却しようと思うなら、売却後、自分も引越しをして、新しく自宅として使う目的の個人に売却する方が良いです。


所有権を失う

自宅を資産として保持することができなくなります。同時に固定資産税の負担はなくなることはメリットでもあります。


3. リバースモーゲージとリースバックの比較


項目リバースモーゲージリースバック
自宅の所有権自分が保有売却(他人が保有)
資金の確保方法借入資金売却資金
住み続けられるか?住み続けられる住み続けられる
支払負担借入利息賃料
家族への影響自宅を引き継げないそもそも所有権がない


4. 実例で見る活用法


4-1. リバースモーゲージを利用したAさんのケース


Aさん(70歳)は、子供たちもそれぞれ自宅を保有しており、将来、この自宅を相続財産として残す必要もないと考えるようになり、自宅を担保にリバースモーゲージを利用することにしました。

会社員として定年退職まで働いたAさんは厚生年金も受給し、日々の生活費に困るほどではありませんでしたが、昨今の物価上昇等の影響もあり、先行きに不安を感じていました。


夫婦共、もし介護が必要な状態になっても出来るだけ子供たちには迷惑は掛けたくないと考えた時、少しでも手持ち資金が多ければ、介護施設に入るなり、子供たちの手を煩わせる場面も減らせるだろうと考えて、リバースモーゲージを検討しました。


家族にも事前に相談し、将来は自宅を売却する可能性を理解してもらい、借り入れ枠を設定することに了解を得ました。


4-2. リースバックを選んだBさんのケース


Bさん(52歳)は、飲食店を営んでいましたが、コロナ禍を境に売上が激減。それまで信金や政策公庫から借りていた事業用融資の返済にも困る状況に陥りました。

コロナ禍では補助金等の支援策もあり、金融機関もリスケに前向きに応じてくれましたが、当時はいつ状況が改善するのかも分からず、これを機に事業転換をしようと考えました。


しかし、これまでの事業用融資を一度、精算してからでないと新しいことにも取り組めないと自宅の売却を決心します。そんな時にリースバックの仕組みを耳にしました。

小学生の子供の環境を大きく変えてしまうことが気がかりだったBさんにとっては良い方法だと考え、このまま自宅に住み続けられるリースバックで自宅を売却し、事業用融資の完済に充てました。


その後は賃料の支払いはあるものの、子供に余計なストレスを与えることなく、これまでの環境を守れたと安心感を得ています。一度は窮地に陥ったBさんでしたが、心機一転、新事業も軌道に乗り始めました。


5. どちらを選ぶべきか:自分に合った選択のポイント


資金の必要性とタイミング

即時にまとまった資金が必要な場合はリースバックが適している可能性があります。一方、長期的に生活費を補填したい場合はリバースモーゲージが向いています。


家族との話し合い

家族にどのような影響があるかを事前に共有し、意見を取り入れることが大切です。


専門家の相談

不動産や金融の専門家に相談し、選択肢を総合的に検討することをおすすめします。


個々の商品性の違い
リースバックを扱う不動産会社も増えていますが、それぞれにどのような条件で扱っているのかなど個々の違いは事前にきちんと説明を受け、検討してください。
同様にリバースモーゲージも金融機関によって、商品性に違う点があります。やはり、事前に説明を受け、検討してください。


まとめ:老後の安心を得るために今からできること


リバースモーゲージとリースバックは、自宅という資産を活用して老後の資金不足を解消する有力な選択肢です。

それぞれの特徴を理解し、自分のライフプランに合った方法を選ぶことで、安心して老後を迎える準備ができます。

自宅は持っているけれど、金融資産が少なく不安があるという場合、不動産の有効活用した資金調達手段として検討してみてはどうでしょうか?


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