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  1. 【コラム】50代からの「不動産」と「お金」
  2. 実家どうする問題
  3. 空き家になった実家の活用ステップ ~あなたの実家をどうするか問題~
 

空き家になった実家の活用ステップ
~あなたの実家をどうするか問題~

2025/01/04
空き家になった実家の活用ステップ
~あなたの実家をどうするか問題~

はじめに


50歳代になると段々と現実的になってくる問題のひとつに「空き家になった実家」の問題があります。


戦後、何十年と景気刺激策のひとつとして進められてきた持ち家政策の結果という側面もありますが、両親は共に他界し、空き家になった実家をどうするか?という問題が子供世帯に直面し始めています。


空き家になった実家問題が難しい理由のひとつが、そこに感情的な側面や経済的な負担が絡み合い、対応を後回しにしがちという点です。

しかし、適切に活用することで負担を軽減し、新たな価値を生み出すことも可能です。

この記事では、空き家の活用法を段階的に整理し、具体的な解決策を提示します。


1. 現状を整理する

(1) 空き家の状態を把握する

構造の劣化:雨漏りや基礎部分の劣化などを確認します。

法的状況 :土地や建物の名義や、共有者がいる場合の合意状況を確認します。

立地条件 :交通の便、周辺環境、地価などを評価します。

現状発生している費用

     :固定資産税や自治会費

     :合併浄化槽維持分担金のようなその地区特有のもの

     :マンションなら管理費や修繕積立金


*この現状把握はご自身で確認するにも専門的な面があり、把握しきれない部分もあります。

 その場合、必要に応じて専門家(不動産会社、建築士等)の力も借りなければいけませんが、

 最低限、ご自身で把握できる範囲ではこういう状態だということは把握しておくことが望ましいです。


(2) 感情面の整理

親から引き継いだ実家には愛着があるものの、現実的には、維持管理費の負担が問題になります。

「手放す」「貸す」など、選択肢ごとの心理的影響も考慮しましょう。


同じ実家で育った兄弟姉妹間でも実家の建物に対する思い入れは食い違います。

早い段階で、兄弟姉妹間でどう対処していくのかの話し合いの場を設けるのが望ましいです。


一番避けたいのは、そのうちにと先送りにしてしまうことで後述するリスクが増大します。

法律的には、相続した人の財産なので、その人の自由にすれば良いのですが、

自分は相続していないけれど、思い入れのある実家だから残す方向でいて欲しいと思う人と

潔く解体して可能なら売却してしまいたいと思う人で意見が食い違うケースも耳にします。


(3)室内の家財道具の整理

これが実は一番大変な作業です。

これが実家をどうするかの話が前に進まない主要因ではないかと思う程です。


ご両親の長い人生と自分達が生まれてから実家を巣立つまでに蓄積された

家財や荷物の量は想像を絶すると思います。


ハウスメーカー時代に実家を建て替えて二世帯住宅にする

という計画にいくつも関わりましたが、

皆さんが一様に言っていたのが、


「よくこんなにも荷物が収まっていたものだぁ」


という言葉です。


引越しをするならば期限もあり、とりあえず段ボールに詰めて、

運び出せばよいともなりますが、実家の片づけとなると後回しになりがちです。


自分達でやろうにも一日でできる範囲も限られます。


ここは残しておきたい遺品や思い出の品だけを取り出し、

残りは専門業者に依頼することも真剣に検討してみてください。


2. 活用の選択肢を検討する

(1) 売却

最もシンプルな解決法です。


メリット :維持費や管理負担がなくなり、資金が得られる。

デメリット:感情的な抵抗がある場合や、売却価格が期待より低い場合もある。

ポイント :

不動産会社を通じて査定を行い、適切な価格を把握。


空き家バンクや自治体の助成金を活用し、地域のニーズに応じた売却を目指す。


(2) 賃貸

賃貸として活用することで定期的な収益を得ることができます。


メリット :収益化できる。資産を手放さない選択。

デメリット:入居者募集や維持管理の手間が増える。

ポイント :

賃貸前にリフォームを検討し、居住者ニーズに合わせた改修を行う。


改修費用を投資した分を回収できる見込みが立つのか検証を行う。

管理を不動産会社に委託することで負担軽減。


(3) リノベーションで価値を高める

用途変更を伴うリノベーションで資産価値を高めます。


活用例

二世帯住宅化   :子ども世代と共に住む。

民泊やゲストハウス:観光客向けの短期賃貸。

テレワークスペース:リモートワーク需要を見越した空間づくり。

グループホーム等 :グループホームなどの福祉事業で活用したい事業者へ賃貸する


ポイント

用途によっては初期費用がかかるため、資金計画を慎重に立てる。


地域特性を踏まえた用途選択が成功の鍵。


(4) 社会貢献に活用

収益目的ではなく、地域のために活用する選択肢です。


活用例

子育て支援施設やコミュニティスペース

空き家をアートスペースや教室として提供


ポイント

地域団体やNPOと連携することで運営の負担を軽減。


3. 活用を進めるための具体的なステップ

(1) 専門家に相談

不動産会社:売却や賃貸の可能性を評価。

建築士  :リノベーションの可能性やコストを算出。

ファイナンシャルプランナー(FP):税務面や資金計画のサポート。


(2) 法的手続きを確認

相続登記が完了しているか確認。

名義変更や共有者の同意を進める。


(3) 地域の助成金や制度を活用

自治体によっては、空き家のリフォームや活用を支援する助成金制度があります。地域の窓口に問い合わせて情報を集めましょう。


4. 活用方法・対処方法が決まるまでの考えられるリスク


実家と言っても「一戸建て」のケースと「マンション」のケースがあります。

活用するのか処分するのかが決まるまでの間も適切に管理をしないと下記のようなリスクの可能性があります。

(私が実際に見聞きしたものも含まれています)


一戸建ての場合


  • 庭の草木が伸び放題で近所に悪影響を及ぼすリスク
  • 屋根瓦や雨樋などが劣化して、台風や積雪の影響で落下や周囲に飛散するリスク
  • 建物外に置いてある物が風で飛散するリスク
  • ポストに郵便物が溢れ、長期に使用していないことが明らかになることでの防犯上のリスク
  • 給水管から水漏れが発生しても気づくのが遅れ、水道代が高額になるリスク
  • トイレ便器の封水が蒸発し、室内に悪臭が充満するリスク


マンションの場合


  • 空き家の室内で給水管から漏水し、階下の部屋に水濡れ被害を与え、賠償請求を受けるリスク
  • トイレ便器の封水が蒸発し、室内に悪臭が充満するリスク
  • 集合ポストに郵便物やチラシ等が溢れるとマンション共用部の景観悪化を招くなど周囲への悪影響を与えるリスク
  • ベランダの排水口が落ち葉等で塞がり、大雨時に排水不良が生じ、階下へ水濡れ被害を与えるリスク(賠償請求リスクもあり)

5. 実際の活用事例


ケース1:実家を売却して老後資金を確保


背景 :50代夫婦が老後の生活資金確保を優先。


解決策:実家を売却し、コンパクトなマンションを購入。


結果 :維持費が減り、老後資金に余裕が生まれた。



ケース2:実家をリフォームして賃貸


背景 :実家を売却せず、収益を得たい希望。


解決策:リフォームで若い家族向けの賃貸物件として提供。


結果 :安定した家賃収入を確保。 


7. まとめ

空き家になった実家は、適切に活用することで負担を資産に変えるチャンスになります。


一方で活用法を決めるまでの期間も定期的に様子を見に行き、不具合が生じていないか確認することで近所迷惑を防ぐ必要があります。



  • 現状を整理して感情面と経済面のバランスを取る。
  • 売却、賃貸、リノベーション、社会貢献などの選択肢を検討する。
  • 専門家の助けを借りてリスクを最小限に抑えながら実行する。

家族の未来にとって最良の選択を見つけるために、一歩を踏み出してみてください!


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