一
戸建てのマイホームを考え始めたら、一度は足を踏み入れるかもしれない一戸建ての住宅展示場。3連休や大型連休の時期にはイベントも目白押しで新聞にも広告が入ります。
マイホームを考え始めているのでちょっと見に行ってみるかという感覚で行くケースも少なくないでしょう
今回はそんな住宅展示場を見学する時のポイントに触れてみたいと思います。
プロフィールにも書いていますが、私はかつてハウスメーカーに勤めていました。その時の経験を踏まえて、今、住宅購入相談を専門に受けています。 もちろん住宅展示場にも勤務していました。
新人の頃はクリスマスシーズンにサンタの格好をしたこともありました(笑)
販売側の立場からの視点も踏まえて見学のポイントに触れたいと思います。
住宅展示場はハウスメーカーが自社のモデルハウスを建てて、実際に見学できるショールームのような場所です。展示場にも二種類あって複数のハウスメーカーが軒を並べる総合住宅展示場と一社単独でモデルハウスを建てている単独展示場があります。
例えるならショッピングモールみたいに複数のハウスメーカーが出展しているのが総合住宅展示場でロードサイドのお店のように一社のモデルハウスだけを提供しているのが単独展示場です。
単独展示場でも最近では1社で複数のモデルハウスを建築して、総合展示場のようですが、そのハウスメーカーの建物をいくつも見られるタイプも出てきています。
一方で街中に1区画だけのモデルハウスを建築して、半年前後モデルハウスとして利用したらそのまま建売住宅として売却するというスタイルの会社もあります。
総合展示場には、その会場を運営する会社があります。
展示場名を見ると分かる場合もあります。
例えばTBSハウジングとかABCハウジング、朝日新聞ハウジングとか他にもありますが、運営会社が区画割りされた会場を用意します。
そこに各ハウスメーカーが出展料を毎月支払って、モデルハウスを出展します。
ただモデルハウスも毎年建て替えるという訳にもいきませんので、場所によっては少し古いタイプのモデルハウスが建っていることもあります。
各モデルハウスには営業マンが配置されて、日々そこで営業活動が繰り広げられます。
たまにデパートの北海道物産展のように期間限定で住宅展示場が開設されていると思っている方もいましたが、基本的には常設展示場として存在しています。
モデルハウスの見学は無料ですが、営業マンにも思惑があります
見学に入場料はかかりません。ただ基本的にはモデルハウスに入ると受付をしてくれる女性スタッフが出てきて、アンケートに記入しているうちに案内をしてくれる営業マンが登場します。
営業マンが打ち合わせで出払っていたり、たまたま案内できる営業マンがいない時はそのまま自由に見学できることがありますが、基本的にはだれかしら案内が付きます。
ハウスメーカーの仕組みではここで案内をした人がそのまま自分達の担当になることがほとんどです。
そのハウスメーカーの担当は本当に偶然で決まります。(笑)
数千万円の買い物の担当がたまたまの偶然で決まります。
営業マンからすればマイホームを考える人の名簿集めの場でもありますので、このお客さんは
- 家を建てたいのか?冷やかしなのか?
- 土地を持っているのか?持っていないのか?
- 予算はどれくらいで考えているの?
- 年収は?
- 勤務先はどこ?
なんて情報を早く知りたいとも思っています。
何故ならもし自社のお客さんには、なり得ない人なら追いかける必要はないし・・・
可能性のある人なら具体的に次のアポイントも取り付けて商談を進めていきたいし・・
一方で見学する側の目的は様々です。まだ漠然としていて「何となく見に来た」というケースもあれば、「具体的に知りたいポイントが明確になっている」ケースもあります。なので最初の段階で目的を伝えてくと良いかもしれません。
何故なら必要以上に営業マンに付きまとわれないために(笑)
「まだ考え始めたばかりでどんなものか見に来ただけです」と言ってさっと見て出ていく。
「断熱性能を知りたいのですが・・」「こんな敷地条件でも建築できるか確認したくて・・」
と伝えて、自分の知りたいことだけ聞いて、すっと帰るお客様もいましたが、営業マンのペースに乗せられない上手な対応かもしれません。
でも営業マンも百戦錬磨です(笑)
営業マンにあまり営業を掛けられたくないからと
「3年後くらいで考えているのですぐには建てません」と言っても、
「3年後ならそろそろ検討を始めないといけませんね」
とか
「今年ならこんな制度が使えるから前倒ししたほうがお得ですよ」
なんて返されるかもしれませんが(苦笑)
でもここで重要なのは本当に商談を進める気がないならスパッと断ってください。
商談を進めるにしてもその営業マンが担当で良いと判断できるならそうしてください。
商談を進める気がないなら個人情報を残してこない(可能なら・・・)
もし営業をかけられたくないなら、展示場を見学する際に名刺は貰っても自分の個人情報は残してこない方が良いです。
そこで出会った営業マンが担当になるので、信頼できると思えるまではなおさらです。
ただコロナ禍でハウスメーカー側も感染対策上、万一展示場に勤務する社員や来場されたお客様に感染者が出た時の対応のために連絡先を確認しておきたい
理由もあるので書かずに帰ってくることは少し難しくなっているかもしれません。
どうしても書かなければいけない場合は最低限の名字と携帯電話番号くらいに留めておいた方が良いかもしれませんね。
さらに具体的にはまだ進めないので営業の連絡は不要です。ともはっきり伝えておきましょう。
それでも迷惑だと感じるほど連絡がくるなら、ハウスメーカーに苦情をいうこともできます。
「連絡不要と言ったのにかけてくる」と。
見学するなら自社のウリや特長を案内してもらう
具体的に知りたいポイントがない場合、基本的には営業マンの案内に任せることになりますが、このメーカーの強みやウリは何か?という視点で見学してみてください。
そしてそのウリには他社とは違うどんなメリットがあるのか?なって視点で見てください。
個人的な感想ですが、住宅展示場に出展しているハウスメーカーはそれぞれにウリにするもが違いますが、住めないような酷い家を作ることはありません(当たり前ですが・・)
絶対的な基準でどこが一番かを見極めることは無理だと思います。
というかそもそも工法も違うものを比較して順位は付けられません。
住宅展示場の見学は自分達にとっての一番を探していく旅かもしれません。